ZENO ARKS

–冬に咲くダリアの凛とした姿を、異素材の輝きで表現

ご相談をいただいた瞬間から、はっきりとしたイメージが浮かびました。
冬の空気のように静かな中に、凛とした存在感を持つ「ダリア」。
その優雅さと強さを、ジュエリーとして日々身に着けられる形へ落とし込む。
依頼主さまの想いと季節の空気感を感じ取りながら、ひとつひとつ頭の中で形にしていきました。

ダリアは花びらが何層にも重なるため、シンプルに仕上げるだけでは魅力が伝わりにくいモチーフです。
そこで、手造りならではの繊細さを活かし、花びらの重なりや陰影を丁寧に表現しました。
素材にはシルバー925と真鍮を採用。
寒色の澄んだ輝きを持つシルバーと、あたたかみのある真鍮のコントラストにより、冬の澄んだ空気と柔らかな光を重ねるような奥行きが生まれます。

金属の切り出しから加工、磨き上げまで、一つひとつの工程を手の感覚で確かめながら進めます。
花びらの曲線がほんの僅かでも違えば、繊細な空気感が崩れてしまうため、細やかな調整の連続です。
その工程は、まるで実際に花を扱うような感覚にも似ていて、作業しながら自然と気持ちが穏やかになります。

組み上がっていくたび、冬の朝の光に照らされたダリアが目の前に浮かぶようでした。
完成に近づく頃、ご依頼者さまが「手にしたとき、冬の空気を思い出せるようなものがいい」と話してくださった言葉が何度も心に響きました。

オーダージュエリーの魅力は、単なるアクセサリーではなく、持つ人の世界観や感情を金属の中に宿せることです。
今回の作品も例外ではなく、目に見える美しさだけでなく、冬の静けさや強さ、優しさをまとった特別な仕上がりになりました。
贈り物としても、大切な方との記念日や人生の節目にふさわしい逸品です。

中心にはルビーを装飾

–– 誕生石の輝きが添える、想いの中心

ネックレスの中心に添えたのは、ご依頼者さまの誕生石であるルビー。
ダリアの中央に配置することにより、花の生命力とルビーの力強さが響き合います。
ルビーは古くから縁起物として愛され、守護と情熱を象徴する宝石。
和の文化の中でも、特別な力を持つと信じられてきました。

ご提案時、ダリアの深みある色合いとルビーの鮮やかな赤が重なる瞬間を想像し、胸が高鳴りました。
冬の花でありながら、凍える空気を照らすような生命力を持つダリア。
その中心で祝福のように輝くルビーは、まさにぴったりの存在です。

セッティングでは石が持つ光を最大限引き立てるため、覆いすぎることなく、しかし確実に抱くように留めています。
手造りのジュエリーでは、石の表情や位置、角度の調整がほんの少し変わるだけで見え方が変わります。
花びらの中央に収まったとき、作品全体がひとつに息を吹き返すような瞬間がありました。

また、ルビーの赤は真鍮の柔らかな色味とも相性が良く、金属と石、それぞれの個性を引き立てる組み合わせです。
個性的でありながら、決して華美に偏らず、普段使いにも品よく調和するバランスに仕上がりました。

誕生石を身に着けることは、自分自身を大切に扱うひとつの方法でもあります。
日々の中でそっと力をくれるような存在感を持つこのネックレスは、ご自身へのご褒美はもちろん、大切な方への贈り物としても喜ばれる作品です。

大人の女性に相応しい仕上がり

–– 年月を重ねた心に寄り添う、品格ある輝き

完成したダリアのネックレスは、華やかさと奥ゆかしさの両方を持ち合わせています。
シルバーと真鍮の異素材コンビネーションは、年齢を重ねた大人の女性の雰囲気に調和し、品格を感じさせます。
単色の金属ジュエリーにはない立体感と陰影は、手造りならではの質感です。

「流行に合わせるのではなく、自分のスタイルを大切にしたい」
そんな方にこそ選んでいただきたい作品です。

オーダー制作では、贈り物としてのご依頼も多くあります。
誕生日、記念日、クリスマスなど、特別なタイミングに合わせてオーダーいただくと、贈る側も受け取る側も、ただのアクセサリー以上の感情が宿ります。
とくにダリアは感謝や優雅を象徴し、人生の節目に寄り添う縁起物としても親しまれています。

近年は「自分の物語を大切にするジュエリー」を求める方が増えています。
既製品ではなく、自分のために作られる一点物という特別感は、身に着ける人の自信につながります。

オーダージュエリー制作の中で、素材選びから造形、石留め、磨きまで、一点一点手作業で進める時間は、制作者の私にとっても贈り物のようなものです。
金属の温度や石の輝き、磨き上げた瞬間の小さな達成感、そしてお渡しのときの笑顔。
そのすべてが、この仕事を特別なものにしてくれます。

ダリアネックレスが、持ち主さまの毎日をそっと彩り、心強く寄り添う存在になりますように。

私たちは日々、日本の歴史に触れ新しいものを発信してます。
古き良き和の文化・伝統をデザインした作品に興味がある方は一度当社のHPを覗いてみてください。